十番無鴨黒

住所：〒1060045 東京都港区麻布十番2-8-6 ラベイユ麻布十番 B2F

社用メールに隠されたお誘い。取引先の美女との秘めたる初デートの行く末
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出会いのきっかけ別！
「 #大人の初デート」６つの物語。
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まずは１つ目の物語は、取引先の美女を好きになった男の物語。
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「ビジネス上で知り合っているのだから…」と、彼が葛藤の末に導き出したデートプランをお届けする。
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【主人公】
沢田順平さん（34歳）。長野県出身。一橋大学卒業後、外資系システム関連会社に就職。その後、WEB関連企業へ転職。2年前に新富町にマンションを購入済み。趣味は釣り。彼女いない歴3年
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【story】
仕事相手が異性として魅力的であることを、否定する必要はない。それもひとつの縁として、一歩踏み込み、誘う日があってもいいのだ。
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しかし、仕事を続けるうえで気まずい状況を作るのは避けたい。だから“守りながら攻める”。
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『ビジネスメールに隠した誘い文句で様子をうかがう』
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「髪形、少し変えられましたか？」これまでは、髪形の話が限度だった。しかし今日久し振りに里見さんに会うと、美しさが増していて、焦りが出てきた。誰か他の人に誘われる前に、行動せねば。
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とはいえ、クライアントでもある彼女。仕事上の付き合いはこれからも続くから、NGであれば、正直、何事もなかったことにしたい。
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そこで、年末年始のシーズンを利用して、忘年会を口実に誘うことにした。 「年末で忙しい」という返事であれば、さらりと流せる。
もし本当に忙しくても、リアクションで可能性をうかがえるだろう。 そんな思いで、お誘いメールを送った。
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翌日、すぐに里見さんから返事が来た。
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「忘年会のお誘い、ありがとうございます！ご一緒させていただきます」
簡潔なOKの返事のあとに、可能なスケジュールが3候補送られてきた。
店は僕が選ぶことになったので、港区ながら下町風情もきちんとある大人な街、麻布十番の新店を提案。
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中目黒で評判の鴨専門店の姉妹店『十番無鴨黒』に決まった。
どうやら“鴨”がキラーワードになったようだ。
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「ワインを飲むのも楽しみにしています」
彼女からそうメールがあり、気が楽になってきた。木曜夜、いつもより明るいネクタイを締めて店へ向かった。
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「じゃあ、自己紹介から始めますか（笑）」「いいですね！　ひとり1分にしましょう」
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冗談にのられて、本当に自己紹介をした。
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里見さんが最後、少しふざけた様子で「好きな食べものは鴨です」と言ったのがチャーミングだった。もちろん、この日は鴨のフルコースだ。
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『会計のタイミングが「あうんの呼吸」。大人にしかできないこと。』
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. お茶を飲んでいる時に里見さんが席を立ち、その隙に会計を済ます。
彼女が戻ってきて少ししたころ「では、行きましょうか」と声をかけた。
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「え、お会計は！？」
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想定内だろうけれど、聞いてくれたほうがご馳走のしがいがある。
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「いつもお世話になっていますので」
仕事モードを装ったが、気づいているかも。
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『初デートはさらりと終える。そのほうが、気持ちは燃え上がる』
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明日も仕事ということもあり、本日は一軒でお開きにしましょうと僕から提案した。 タクシーに乗ってすぐ、できるだけ簡単に本日のお礼と次への布石を、交換したばかりのLINEに送った。
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10分後に返事が来た―。
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「本日は美味しいディナーをご馳走になり、ありがとうございました。初めてゆっくり話せて、楽しかったです！次は新年会に誘ってください」
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「新年会は金曜でもいいですか？」という返事を送り、何往復かLINEをして、最後は互いに「おやすみなさい」の挨拶。
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無性に仕事へのやる気がみなぎり、明日も頑張ろうと足取り軽く家路についた。
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